うたちゃん日記

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10.朝寝と夕刊


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 あきらは疲れ切っていた。食事を摂るとすぐに自室へ。そのままゴロンと行ってしまう。すぐに睡眠に入ってしまった。気がつけば午後1時過ぎ昼食を摂ってぼんやりとしてみる。こんなに仕事がきついんじゃ、これから続けられるのか?あきらの脳裏にふとよぎった。まもなく午後3時、夕刊の時間になり店へ降りていった。新聞が店の前に着いている。夕刊は180部ほど、折り込みもページ数も少ないので、朝刊よりはずっと楽だ。前かごに積むだけで事足り、すぐに出発。お天気は回復していてこれなら順路帳を見ながら余裕を持って配れそうだ。春の夕暮れの中をゆっくりと配達する。新聞紙が薄いのでポストへの投函もスムーズだ。前半は人が多いから自転車は飛ばせない。後半に入ると千住市場の付近はガランとしていて自転車をかっ飛ばす。2時間弱で配達が終わった。
 配達が終わると翌朝の折り込みの準備だ。これが結構手間のかかる仕事で、この店では折り込み機を使わないで手差しで全部こなしていたから大変だ。まずは二つ折りになっている広告を探してきて、配達部数+数部を数える。そこに残りの折り込みを差していく。だいたい5種類で1セットこれが手差しの限界だ。だいたいこの店では2セットすなわち折り込み8~12枚が標準。週末で20枚あるとてんてこ舞いだ。あきらは、この日が初めてだった。折り込み作業も見学だけで実際にやってみたことがないからだ。指サックをして折り込みチラシを右から左へと流して入れていく。なかなかうまくいかない。あとから始めた先輩達はさっさと終わらせて食事にありついていく。圧倒的にスピードが違うのだ。折り込みの時間は、配達員同士が顔を合わせる時間なので、談笑しながら手だけ動かしていく。あきらは話すまもなく必死だ。「配達どうだった?」と声をかけられ、我に返って返事をする。「大変ですよー。」にぎこちない作業は1時間ほどで終わった。
 この日は朝刊も合わせて7時間半ほどの労働。普通にサラリーマンが働いているのと同じくらいだ。食事後、店長とメガネの代配さんから、配達どうだったと聞かれる。あきらは「すごくきついです。」と答えた。店長がメガネの代配さんにこういった。「どうやって教えたの?」「1週間後ろに付かせただけだよ。」「それじゃ覚えられないよ。」「少しずつやらせてやればよかったんじゃないの?」メガネの代配さんは、人に仕事を教えられない性分らしい。普通の教え方だと、出来るところまで配達させて、1日ごとにその範囲を増やして行くとのことだ。それで、たいていメガネの代配さんに付いた人は初日で根をあげて辞めていってしまうのがいつものことだと。あきらはしばらくはきついけど慣れるまで我慢することにした。