この日の一枚の写真 |
太平洋戦争末期から終戦までを昭和天皇を中心とした視線で描かれたロシア映画。日本ではとても作れる作品ではないだろう。演じるのはイッセイ尾形を始めとした日本人で、外国映画なのにほとんど字幕無し。以前に見た米国製芸者映画『SAYURI』が中国っぽい雰囲気だったが、時代考証やセットはとてもロシアで作ったとは思えないほど感じがよく出ている。(宮中が実際こうだったとは思わないが。。)セリフの少ない演技で見せる役どころをイッセイ尾形は好演している。昭和天皇の戦線をどうして縮小できなかったか悔やむ場面や、人間宣言に至るまで素晴らしい演技、演出だと思った。マッカーサーとの対談も実際映画のようなことはなかったにせよ、映画の流れとしては自然に受け取れる。地味な映画ながら見て良かったと思える映画だった。
戦中昭和史を勉強しなかった人には、ちょっと理解できない部分があるかもしれないと思う。もし映画に興味があって見に行く機会があったら、ちょっと昔の教科書を見て時代背景を復習すれば、細かい演出の部分も楽しめるだろう。