<日付:2021/7/26>
国土地理院地図の地形図や航空写真がWEB上で自由に閲覧出来るようになってから久しいですが、過去の航空写真の閲覧はなかなか価値のあるものです。
鉄道と道路の未成線付近の記録を見ていくシリーズ初回は名阪国道関トンネル周辺です。
名阪国道の不自然なカーブ
若い時に名阪国道は走行しているのですが、いくつか急カーブがあり不自然だと思っていました。トンネルだったら断層の横断を少なくするために地図上で不自然な線形になることもあるようですが、ここはちょっと別な訳がありそうな気がしてなりません。
久我IC付近は埋立で平地
名阪国道建設後の埋立だと思われますが、このように埋立が容易な場所をわざわざ回避して急曲線にしたのは不思議です。関町久我と関町越川の集落に多少かかりそうですが、久我IC前後が結構な高さの盛土になっているので集落南側のルートでもそれほど工事量は変わらないと思います。
昭和21年5月21日撮影航空写真
名阪国道で切土したのかと思いきや、終戦後間もなくの米軍撮影航空写真にて既に林野が伐採されています。それと名阪国道は真ん中の赤丸を付けた地点も通過しています。
現在の航空写真(ヤフー地図)
急曲線(大赤丸)の部分が加太向井の字のあたりまで、トンネルを掘るとしたら最短の位置になります。謎です。
西側の加太IC付近もカーブ
こちらもいくつかの不自然さがあります。曲線が不自然に見えますし、トンネル坑口
の上に川の表示があり土被りが少なさそうです。
昭和21年5月21日撮影航空写真
トンネル手前でカーブしなかったら赤丸の林野伐採の位置が坑口になっていた雰囲気がします。
現在の航空写真(ヤフー地図)
伐採地点と名阪国道との位置関係がわかります。こちらの謎の地点も、地形図で見ると、現在のトンネルより南側ルートで、トンネル掘削距離が最短になることがわかります。
名阪国道沿いには何かを意識して伐採されたかに思えてしまう林野の痕跡がいくつかあるので次回以降も見ていきます。