<読書日:2022/8/18:20220818:投稿基準日2022/8/26>
雑誌の発売日や見出しをネットでチェックしていた折に発見した鉄道ムック本。
ひさびさに偏向性の無い編集で幅広く世界の鉄道を紹介している良本を発見!
<内容と感想>
全般>
・写真や路線地図が充実していて、世界の高速鉄道の全貌が見渡せる。
・最近多いJR○○にこびていない記事で国内鉄道専門誌のスタッフが関わるムック本では無理ではと思い制作者の良心を感じる。
・もはや『高速鉄道は日本のお家芸』とは言えない状況であると感じる。
・日本の新幹線技術を紹介しながら海外の好例も紹介され、(良いこと悪いことちゃんと併記してあり)科学的に正しい知見に基づいていると思う。
・監修と一部執筆している『曽根悟先生』による良心を感じる内容が伝わってくる。
・出版時期が微妙で、前に準備しておいて少し練ってから出した感がある。
アジアの高速鉄道>
・日本はたっぷり、中国韓国台湾はもう少し盛れたと思い図鑑的意味合いからすると少々物足りない感じだが、車体外観も含め輸入技術ベースのアジア各国の車両なのでバリエーションが少なくしょうがないのかも。
・表紙に『新幹線とアジアの高速鉄道を一挙紹介』とあるが、アジアの部分がほとんど新幹線なのが残念。
欧州の高速鉄道>
・フランスTGV、ドイツICE、イタリア、イギリス、スペインの高速鉄道の写真が豊富で、いいとししたおっさんが見てもわくわくする情報があって楽しい。
コラムについて>
・鉄道が環境に優しいとのデータの解説は、日本の国土交通省の作ったデータをそのまま引用して『鉄道は環境に優しい』としている。そのデータの出し方で良いのか個人的にこっそり調べている最中なので気になった。
(自家用貨物車が例の如きCO2の数字が跳ね上がるが、営業バンのような車種が含まれていたり、(排出源として)輸送量報告が無いような業種の所有車まで含めていたり、食品工場の直営配達車両、特にパンとかふわふわするものを運んでいたら重量ベースで比較できないと思っている。鉄道にラスト1マイル輸送は出来ないこととか。)
・曽根悟先生の高速鉄道の将来について、海外事例では『低速』『中速』『高速』に考え方を分けているが、日本では歴史的経緯から真ん中の分類が無くなり、現状にあっていないのではとの的確な指摘で、これから鉄道を考えて行く上でたいへん参考にしなくてはいけないものだと思います。
※訳あって珍しく読んですぐブログに書けました。(訳は明日ぐらい記事に)