<投稿基準日:2023/8/16:20230816-07>
<初版発売日:2014/8/28、購入日:2023/4/26>
2023/7の入院前後の読書、色々お片づけしながらブログ化して、まとめております。
鉄道150周年で、色々収集した本のひとつ。2023/7入院(3回目)は、割と入院する感じがあり、入院期間中に読む本を救急車到着までチョイスすることが出来た。(入院時は余裕だったが、2回転院すると言うもっとも面倒な入院だった)
東海道新幹線の建設は日本土木史的に重要なトピックであるが、在来線での特急電車110km/h時代に開発されたもので(そもそも151系も試験運転で163km/h・1959年)
そこから5年での東海道新幹線210km/h運転なのだが、開業は1964年10月。試運転で200km/hを超えたのが1962年10月で、コンピューターで解析など出来ない状況で、どう言う運用実態だったか知るに当り貴重な文章である。鉄道史に載るような国鉄編纂や鉄道会社編纂社史などは、だいたい良いことしか書いておらず、裏方の苦労とか労働者目線からみたら黒歴史見たいのは残らないものだ。
在来線特急で1963年に120km/h運転が実現した翌年1964年の新幹線210km/hだから、どうとうやっつけ仕事なんだろうかと想像する。
それともうひとつ国鉄時代は労使関係が良くなく速度の向上(技術の進歩)が少なかった説があるが、新幹線の安定運行するまでの期間が長期化(とくに『き電』系統の更新)しており、良く言われる枯れた技術を使ったから、新幹線プロジェクトはうまく行った論だが、在来線交流き電技術の延長でやっており、210km/hはどうも飛躍しすぎで、ものすごく丁寧なメンテナンスと、架線事故発生率の高さを許容して運用出来ていたことが、本書から良くわかる。
【ここから本書とは関係無い方向に話が飛びます】
1981年フランスTGVが開通し日本の運転速度を上回る260km/h運転を行ったのだが、日本国内の論調は、TGVが最高速度を出すのは都市間の一部だとか、後進的な機関車方式とか、座席定員が少なく輸送力が小さい、座席の快適性がない、などネガティブな情報ばかり専門家からもたらされた。
今、同じような意見を出したら、ミニ新幹線の先進例のように捉えられるのでは無いかと思うが、TGV路線網は高速区間だけを定義したものしか翻訳されず、専門家が紹介すると言う意味で、日本の鉄道文化は鎖国的なのかも知れない。(パリ直結高速鉄道網は、既に日本の新幹線網を上回っていると思う)
JRになってから急に新幹線が進化した論みたいなものも見受けられ、これは東海道新幹線において【在来線の延長技術のBTき電】で設置したものを【山陽新幹線以降、本来の新幹線技術になるべきATき電】に置き換えが完了し、これに合わせて300系新幹線を導入したものだから、JRの特定の真ん中の会社だけ技術躍進したわけでは無い。(磨きをかけていると言うなら、戦中の古い建設着手時代のトンネル更新と、その前後の線形改良<丹那・日本坂トンネル>、勾配急曲線冬季の降雪問題のある関ヶ原付近の盛土改良コンクリート高架化ほか線形改良、高密度運転対策としての、名古屋・京都・新大阪駅線路ホーム増設<現在の新大阪のやつは九州新幹線対応分>など、リニア作るからやらないのが多過ぎではないだろうか?)
【この辺は別の記事にする予定の草稿から使っています】