うたちゃん日記

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中国の高速鉄道脱線事故について(原因は軌道回路の省略か?) その3

最初の記事を書いてから色々な方のブログなどを参照して色々研究しているのですけれど、気になるブログを発見したので、紹介しながら、私の考察した【軌道回路を省略した】という考え方についてさらに書いて見たいと思う。

中国の都市交通事情:王鋭 (WANG Rui) のブログを見てみると、都市工学的に研究されている方なので、信号システムの専門家ではないと言っているが、中国語に堪能なことと、現地の事情通とのことで、日本のメディアから注目されているようだ。

・Offical:“軌道回路の受信機器にソフトウェア欠陥”ー中国高速鉄道事故の記事に、事故路線での信号システムについていくつか記述があった。

・ZPW-2000Aという無絶縁軌道回路に対応した自動閉鎖システムが整備されている。

・軌道回路の受信機器にソフトウェア欠陥があるので、本来赤あるはずの信号は青になった。

としている。

ということで、日本の文献で、『無絶縁軌道回路』を検索してみた。

絶縁軌道回路に対応した新幹線用デジタルATCの開発に詳しく書いてあったのでとても参考になる。

日本国内事情として、整備新幹線の建設費節減のために開発したものであることがわかる。新幹線用としても、末端区間の当分の間、列車密度の高くない区間向けで、既存の車上設備を生かし、地上設備の簡略化を狙ったもののようだ。(実際、採用された八戸~新青森間は、追い越しもなく、1時間当たり2本程度が最大)


無絶縁軌道回路は、区間により信号電流の周波数を違えることによって区間ごとの絶縁を不要にするものである。隣の区間の軌道回路の電流が流れ込んでも、フィルタにより遮断されるので誤検知することはない。電源からの距離が離れると信号電流が減衰して車軸による短絡を検知できなくなるので、減衰を考慮して検知範囲を設定する。無絶縁軌道回路を用いれば、電気鉄道におけるインピーダンスボンドを不要にすることができる。絶縁継目は軌道構造上の弱点となっており、破損が発生しやすいため、これを廃止できることは無絶縁軌道回路の長所である。
とある。

最初の、【王鋭氏のブログ】から伺える中国の鉄道の列車動態管理のありかたは、地上設備の軌道回路からの情報は、あくまで列車位置情報を送出し、車上装置で処理し、軌道回路に情報を戻す、やり方のように思える。この仕組みの中にソフトウエア上の欠陥があったと報道されているというのだ。この話だと、軌道回路がフェイルセーフを備える設備になっているかどうか疑問だ。地上設備としての軌道回路が列車の在線管理、列車動態管理としての役割をもっていなかったのでは?とますます思えてくる。なぜなら、GMS-Rを主な列車運行管理の通信手段として利用していたなら、軌道回路は物理的に存在しなくても、『仮想軌道回路』みたいなイメージで、区間分けすれば、車上装置、管理システムの故障さえなければ、運用できてしまうことになる。これでは、『ETCS Level3』と言われるシステムで、世界中でまだ実用化されていないシステムを、中国が実用化していたような話で、つじつまが合わなくなるのである。

なんだか話がこじれてきたが、中国側の報道としては、『車上システムのZPW-2000Aのソフトウエア上の欠陥』に事態の収束を狙ってきたのだろう。ソフトウエア上の欠陥であったら、バグを発見して、ソフトウエアを書き換えてしまえば良いとの結論にしてしまえ~。初期の発見されていない欠陥でした。これで解決だからである。

もっとも明らかにしなければいけないのは、ETCSの模倣である、CTCSの設計上の欠陥であろう。

・なぜ、列車の在線管理(列車動態管理)が正しく行われなかったのか?

・なぜ、システムの一部故障でシステムが安全側に働かなかったのか?

・なぜ、ヨーロッパでもなかなか採用されない上位システムを中国は採用してしまったのか?

中国の鉄道が模倣の域を超えるまで、解決されなければならない問題は多数あると思う。

個人的には、軌道回路の短絡で信号システムが絶対停止を出さなかったその仕組みが知りたい。(物理的な軌道回路って存在したの?)