<日付:2021/8/24>
2021/6/8:第一首都圏トンネル北品川工区
中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)シールドトンネルにおける安全・安心等の取組みに関する説明会 (jr-central.co.jp)
2021/8/17:第一中京圏トンネル坂下西工区
シールドトンネル工事における安全・安心等の取組みに関する説明会(春日井市内) (jr-central.co.jp)
について住民説明資料がJR東海のリニアページにて公表されたので色々記述する。
今回は、問題点のあぶり出し前の基本的事項を整理したい。
大深度地下トンネルの安全性、シールド工法の安全性が説明の主眼
比較対象として
首都圏トンネルは、外環道東京区間との対比
中京圏トンネルは、外環道東京区間、相直線新横浜トンネルとの対比
となっている。
大雑把に工法を記述します
外環道東京区間 泥土圧気泡シールド
問題点 気泡漏出、地上部陥没空洞発生
JR東海首都圏資料:気泡漏出について記載なし
:地上部陥没空洞発生、P21~P26に説明
:地上部陥没空洞発生、P19~P22に説明
相直線新横浜TN 泥水式シールド
問題点 地上部陥没発生
リニア首都圏TN 泥土圧気泡シールド
JR東海首都圏資料:P37~P45
解決手段 外環とは地質等の条件が違う、外環が特殊条件
施工管理の強化(経験則)
リニア中京圏TN 泥水式シールド
解決手段 外環とは工法が違う、相直線の経験則を用いる
切羽の安定確保、排泥管の閉塞防止
掘削土の取込量の管理、裏込め注入の管理
地域的問題点 亜炭層掘削跡空洞は探査を強化
シールド工法共通の課題について
掘削面対し圧力をかけるため、押しすぎによる影響
掘削量に合わせて排土する加減の難しさ(取り込みすぎ)
泥土圧気泡シールド工法と泥水式シールド工法の選択について
泥水式は地上部での作業ヤードの確保が問題となる
工法によって地質の得手不得手があるようだが、作業ヤードが確保出来れば、泥水式にしているように見られ、施工管理がしやすい(安全だから)からのよう
泥土圧気泡シールドの選択が近年多くなっているのは、都市部での工事で作業ヤードを確保しない前提の工事が多いからでは?(泥土圧1択)
泥土圧気泡シールドでは、シールドマシン前部チャンパー内に気泡剤を注入し排土排出を容易にしており、チャンパー内に気泡剤と言う化学薬品を注入し撹拌反応させるため、気泡漏出の対策が必要
大深度地下トンネルの問題点
浅い地下では
公共用地(道路河川)、土地買収、地役権設定などで権利が明確
地下の状態が把握しやすい、地山の変化メカニズムが比較的解明
事故があっても起業側公共側で解決しやすい、補償方法が確立している
大深度地下では
たて坑用地を確保出来れば、民有地下を自由に設計
地下の状態が把握しにくい、地山の変化メカニズムが解明されていない
事故があったら民有地に問題が波及する、補償方法が確立していない
JR東海が報告した問題とならないとされた事象
事業施行に伴う安全の確保及び環境の保全のための措置を記載した書類(別添書類第6号) (jr-central.co.jp)
P6-36
影響なしとされ、対策はしない(地下水の酸性度の監視等)
化学反応の項、天然ガスについて
労働安全衛生規則による施工中の災害防止はする(センサー設置と異常時の工事中断措置など)
事業区域が大深度地下にあることを証する書類(1/5)別添書類第3号 (jr-central.co.jp)
地盤急変部について調査
P3-6
埋没谷(世田谷層)と国分寺崖線と推定しているが、この資料では『大深度地下』の特定に用いた資料なので、トンネル施工そのものにどういった影響があるのか示されていない
001239571.pdf (mlit.go.jp)(国土交通省 大深度地下使用技術指針・同解説)
外環が特殊な地層だったと表現しているが、『地盤急変部』と言う言葉の扱いも、JR東海と外環建設では違う表現をしていないか?
P27
大深度地下の特定に際しては、地形・地質を把握することを目的として、地形・地質に関する既存資料を収集・整理する。その際、「大深度地下マップ・同解説」や既存構造物の基礎が分かる場合にはそれも参考となる。既存資料の調査により、概ねの地層構成やその傾斜や連続性、想定される支持地盤位置やその連続性、埋没谷や埋没段丘、断層等地盤急変部を把握しておく。
とあり、①埋没谷②埋没段丘③断層、①②部分をちゃんと説明していないのではないか?③だけに限定していないか?
大深度地下使用の認可申請に関する説明会資料について (jr-central.co.jp)
断層が計画路線に『地盤急変部の有無を確認』し『断層は事業区域周辺には達していない』からと表現しいている(P17)
(つづく)