<日付:2021/6/14>
色々建設を巡って、栃木県内や宇都宮市内では反対運動があったものの、選挙の争点になって建設が進められることになった宇都宮LRT。開業遅延に伴って、建設費用の増加について報道されたが、公共事業の効果を示す『費用便益比が0.73』になってしまったとのこと。
そもそもLRT(路面電車)は、既存の道路インフラを転用して敷設するから他の高度な鉄道より安価だとされるが、宇都宮LRTは『道路拡幅』『鬼怒川渡河橋』『高架区間』などの距離が長く、開業まであと1年と迫っているのに未だ用地買収が終わっていない(報道時点)と言う。
プロジェクトとしてちょっと色々問題あり?
1)宇都宮駅西口区間も計画に入れておかないと需要予測が成立しない?
宇都宮市内のバス交通は西口中心に展開しており、宇都宮駅西側の需要を予測値として取り込んで置かないと成立しないのでは?宇都宮LRT全体構想で、面的に輸送している宇都宮市内の全バス需要より、線的にしか輸送できない宇都宮LRTの方が多いとか、ちょっと見れば不自然な数字が並ぶ。
JR線路を越境する構造、西側の市街地の道路構造をあまり徹底的に研究した資料が、あまりなく(建設費の150億円の根拠に乏しい)、東側区間の将来需要予測として、『西側区間の開業で全体利用者の増加が期待できる』と記すためだけの『おとり』では無かったのか?
3)大規模な街作りプランなのに情報開示が少なく遅い
建設費の大幅増加開業遅延は報道の2年前から内部的には知られていたそうだが、この地域での選挙戦の後になって報道された。
需要予測のベースになるデータが『パーソントリップ調査』であることは明らかになったが、これをどのように『煮たり焼いたりのレシピ』すなわち『計算手法』が開示されず『需要予測が絵に描いた餅』では無いかと疑問を持たれている。
西側も含めた全体計画で建設するとなんと『需要が3倍になる』と栃木県と宇都宮市がとりまとめた資料。