<日付:2023/8/10>
芳賀・宇都宮LRTのダイヤが発表されたのでまとめてみた。
7月26日時点の時刻表
運行本数を時刻ナシでまとめた
<平石>
平日
・4時台~7時台に14編成出庫
・9時台に5編成入庫
・16時台~17時台に3編成出庫(グリーンスタジアム行き)
・19時台~20時台に6編成入庫
・22時台~24時台に6編成入庫
休日
・5時台~8時台に9編成出庫
・18時台~23時台に9編成入庫
平日の特徴
・上下とも8時台・18時台が輸送供給の中心
・夕方の折り返し便は学生向け?
・夜間の絞り方から見て、この程度が適正供給だと見ているのでは
(3本/時、20分間隔)
休日の特徴
・9時台~18時台しか12分間隔が無い(5本/時)
・早朝夜間の折り返し便があり、芳賀方面の早朝夜間を軽視している?
<宇都宮>
平日の特徴
・6時台~8時台の通勤輸送に備えている?
・いっけん通勤需要に対応しているように見えるが、既存企業バスのピーク時間帯とリンクしていない
・一部企業バスは残置の見込みのダイヤかもしれない
・やはり19時以降の設定から(3本/時、20分間隔)が適正と見ているのでは?
休日の特徴
・8時台~17時台までしか12分間隔になっていない
・夜間のグリーンスタジアム行きは芳賀方面軽視?
<芳賀高根沢>
平日の特徴
・宇都宮まで行かない平石入庫が8時台からあり、上り方向はあまり重視していないように見える
・やはり19時台以降の設定から(3本/時、20分間隔)が適正と見ているのでは?
休日の特徴
・8時台~18時台しか12分間隔でない
・金曜日の深夜勤務があるか知らないが、そう言うシフトだったら土曜朝の帰宅がつらそう
当初の想定:ピーク時6分毎、オフピーク時10分毎は実現出来るのか?
<オフピークについての試算>
運行時間:47分→45分
折返時間:7分→5分
サイクル時間:100分
運用数:10運用(100÷10=10)
ガラガラだったら出来るが、乗降に時間がかかるような場合出来ないのではないか?
<ピーク時についての試算>
運行時間:各停49分、快速37分
折返時間:各停5分、快速5分
サイクル時間:各停108分、快速84分
運用数:各停9運用(108÷12=9)、快速7運用(84÷12=7)
合わせて16運用なので、予備車1運用で無理がある。
各停快速の交互運転では無く、ピンポイントで増発すれば良いのでは?
グリーンスタジアム折返便設定という方法もある。
列車種別によって乗車に偏りが出たり、追い越し駅で乗り継ぎに関する料金収受が適正に行われるかも疑問がある。
快速運行に関して、確かに電停は通過するが、交通信号との関係で通過した分早く走れるか疑問が残る。
これもガラガラだったら出来るが、乗降に時間がかかるような場合出来ないのではないか?
今回の暫定ダイヤでは、ほぼ全ての列車が起終点47分運転だと思われるが、ラッシュ時間も同じと言うのはにわかに信じられない。
交通弱者対策は車両装備的にあるが、もちろん乗降に時間がかかるので、この路線でダイヤ通り運転するのは、暫定の遅いダイヤとは言え難しいのではないかと思う。
<暫定ダイヤに至る原因の推測:2023/8/11追記>
1)運転手不足ではないか?
平成27年発表の需要予測から
→P21の最小需要予測より運転本数が少ない
→P25の開業時の運転士数を56名としている
平成30年検討委員会資料(増資について)
→P3の運転士採用計画によると運転士数を52名としている
令和4年度事業報告より
https://www.miyarail.co.jp/data/wp-content/themes/miyarail/pdf/report_2022.pdf
→P2の運転士帰任(研修先より戻り)令和4年度内にて35名
報道内容によると(抜粋)
第三セクター「宇都宮ライトレール」は4日、免許取得のため各地に出向していた運転士19人の「帰任式」を、市内の車両基地で開いた。
(略)
→出向の44人全員が運転士とは書いていない
報道内容によると(抜粋)
「宇都宮ライトレール」の運転士19人が出向先から戻り、第1次帰任式が4日、栃木県宇都宮市下平出町のLRT車両基地で行われ、
(略)
同社の運転士約50人のうち、10月末の時点で33人が路面電車を運転するための国家資格取得のために同業他社へ出向していた。今回帰任した19人は資格を取得し、出向先で実際に1人で営業運転するなど訓練を積んできた。本年度中には残る全員が帰任する予定。
令和4年度事業報告と報道時点の帰任者19人が同数であるほか、10月末時点の出向者数も一致する。令和4年度内の出向研修者の帰任が全員だとすると、開業時の運転士数は35人なのではないか?
→ローカル民放局のテレビニュースでは全運転士は53人と報道しているようです
始めから、事業計画通りの運行は予定していなかったのではないか?
事業報告書から各年度の出向者数(運転士)
・令和元年度 6名
・令和2年度 28名(累積34名)
・令和3年度 12名(累積46名)
→出向先が年月毎に記載されているだけなので、職種変更(運転士資格不合格や諸般の事情)や出向先変更などで累積人数と一致するとは限らないと思われる。
ネット検索すると電車の運転士の合格率は80%(46×0.8=36.8)
テレビ報道の53人と私の指摘した35人の差、18人は令和5年度に資格取得予定なのだろうか?だいたい、非正規雇用っぽい求人の人数に近く、利用が順調なら運転の業務、利用が低迷なら、地上または車内の改札業務(後記)と兼任して、非正規雇用を減らすのならつじつまが合う。
2)机上シミュレーション通りの運転時間で運行出来ない
→道路交通信号の調整がうまくいかない
→信用乗車方式にしても想定以上に乗降に時間を要する
→快速運行時の乗換時の運賃収受方式が(システム的に)定まらない
→快速に乗車が集中することが予想されている(混みすぎて快速効果がない)
3)そもその需要予測への不安があって固定費になるものへの投資を控えている
→養成が大変な運転士の採用を控えている?
→導入編成数をギリギリにしすぎて、実車で検査周期の再検討したら車両不足?
→採用計画には非正規社員について記載が無いが、補助要員的な非正規社員を求人サイトで大募集していた?
4)企業バスからの転換が見込めていない
→終点の自動車企業は廃止だが、そもそも『企業バス運転の発想』は、(混雑時間帯の)道路混雑の防止のため、従業員にバス通勤を推奨したことによる。
(自動車工場のように駐車場と職場が離れている企業ではLRTは有利だが、工場敷地内に駐車場があり、かつLRT停留所から離れている場合、通勤者はどう判断するのか)
→企業バスを止めたら、また自動車通勤に戻ってしまうのでは?
→企業バスの運転ピークと暫定ダイヤの供給の中心が合っていない
5)結局は宇都宮駅直通バス廃止による強制的利用転換を見込んでいるのでは?
→宇都宮駅東口などでの開発で、むしろ不足していた駅前駐車場が増えてしまい、自動車利用が便利になっている
6)当初は主要停留所に自動改札機を導入し9割以上の利用者を、券売機改札機精算機を通し料金収受する計画だったのが中止か?
車両選定時と思われる資料
150824shiryou4.pdf (city.utsunomiya.tochigi.jp)
P3の改札機のイメージ
自動改札機はあきらめたが、もしかして広電みたいなことをやるのか?
→前項で指摘した非正規雇用があるのではないか?と言うことや、開業時に社員数の割に養成運転手が少ない(令和5年度に養成完了?)のではと思われるのだが、『暫定ダイヤ時のお客様案内』『ICカード販売・入金』『開業後の混乱防止対策』を広電みたいな可搬型料金収受機でやるのか、はたまた『アテンダントスペースで車内改札』するのか、すごく気になる。
→自動改札機設置の設置想定6駅のケースでは、97%の利用者が自動改札機を利用するとある。おそらく快速運行時の停車停留所も、その利用想定から設定すると思われ、追い越し運転をするなら、快速便に利用が集中してしまうのでは?
7)(開業延期前かつコロナ禍前)元々2回の社員募集を行い運転士候補合計70名を社員採用して最終的に50名くらい(指導運転士管理職も含め60名くらい)にするような記載の出所不明の資料も出て来た。
昔の記事