うたちゃん日記

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【蔵書】【読書】地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる(羽田康祐著)ベレ出版

<投稿基準日:2023/3/29:20230329>

持病の膵炎、コロナの後遺症のための頭痛があってなかなかすすまない積ん読本の読書、気持ちの余裕が出来て、いっきに読んでおります。

 

読書後体調が徐々に悪くなり、読み終わった本が再び積ん読本になり、入院療養終了後現在お片づけ中。

 

記録によると2021/8/31購入、初版2021/8/25発行なので、地図マニアとしてはコレクション網にかかって購入し、だいたいすぐ読んでいたが、特に『そうですね』と言う感想を持って本棚に保管。お片付けで発見されるに至る。

下の方にある『その地図間違ってます!?』を地図専門教育を受けた者としてどう捉えるかだが、小中高で地理や地図を学習した範囲では、とうてい地図の主題にあった図法についての知識など意識出来ないだろうから、地図を作った側が意図せぬ誤解をユーザーしてしまう危険性は高い。

 

若い頃、都市計画に関して記述された割と社会科学的に考察している出版物を読んだ時に閉口したのは、『記号道路』の幅員と延長を計測して(面積を出していた)、日本の都市や海外の都市の比較論を行っていたことである。そう言うのが論文で通っちゃったり、それをかみ砕いて一般的な新書のような出版物で出してしまっているので、他の重要な研究で地図に基づき統計を取るような分野でも、やっちゃってる感じはする。

昔測量事務所をやっていた時も、メッシュデータとベクトルデータの違いを解らず発注していたような計測業務とかあって、統計担当は地図の誤差とか知らないで発注しているんだと思ったことがある。

 

サラリーマン時代は、世界地図とか投影法が直接影響するような仕事では無かった。しかし、現場でトラバース測量において、測量士持ってる『自称ベテランの同僚』は縮尺係数とか良くわかっておらず、ソフトウエア上では縮尺係数が適当でも、誤差配分され、それっぽい数字になるから良いみたいな感じで、そう言う計算書が上がってくると(民間納品のものではチェック機能は無いが、公共発注の業務では)役所に納品出来ないので作り直し、改めて使用した基準点に変位が無いかとかのチェック、問題あれば現場やり直しとか愚痴ばかりである。

 

本書で最終的に扱いたいのはGISの分野であるが、一般向け地図サイトや初期のGISソフト(現在は業務者で無いので知らない)は、ジオイドや疑似楕円体(国によって異なる)に基づいた投影を行うと、サーバーやクライアントPCでの処理に時間がかかるので、真球で投影を行っていたよう。

 

本書で一番感銘を受けるのがP276おわりに

(引用)

・日本の社会人に地図のリテラシーが不足している。

・「私は素人ではない。スペシャリスト(専門家)だ」と言うのは簡単。

・しかし、エキスパート(卓説した技能を持った専門家)を名乗るには、知識と技術の蓄積が必要で、特に日本では地図学・地理学に精通したエキスパートは非常に少ないのが現状。

(略)

・また、日本では「サービスはタダ」と言うお国柄

 

と言うことを社会的に公言してくれる、私より優秀で若い人材がいることを、地図の分野をちょっとだけかじった私が何よりも、本書を読んだ上での『大収穫』だと思っている。

地図リテラシー入門―地図の正しい読み方・描き方がわかる | 羽田 康祐 |本 | 通販 | Amazon

【ブログ執筆者:国土建設学院測量工学科地図専攻卒業】

【お片づけ】3左2

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