<日付:2021/5/27>
リニア中央新幹線について調べている一環で、南アルプストンネルについて調べた備忘録として残します。
地主について:特種東海製紙
管理者について:特種東海フォレスト
静岡ルートで入るためには
http://ikawa-minamialps.com/tozan/pdf/alps2012.pdf
山梨ルートで入るためには
www.city.minami-alps.yamanashi.jp
長野ルートで入るためには
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/smartphone/documents/ichizu2.pdf
山梨県側が順調とされる一方長野県側では問題発生
岐阜県だって問題発生
https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/155698.pdf
中央構造線見てきた記録があるのでリンクします
構造物を作ってもすぐ壊れてしまうような地形です。
感想総括
静岡県内の南アルプストンネルについての水問題ばかりクローズアップされるが、実際のところ、山梨県南アルプス市付近から長野県飯田市付近まで、万が一非常時に『停車してしまったらヤバイ』区間であることがわかる。
青函トンネルの海底部が23km全長が53kmに対し、リニア中央新幹線の山岳部は約40km(本体トンネルは25kmほどでも前後区間も山が深すぎてヤバイ)
1000人の乗客が仮に非常口まで歩けたとして、せいぜい10人乗り(運転手除くと9人)のタクシーぐらいしかチャーター出来ないだろうから(林道で物理的に通行出来ない、街の規模が小さく常備車がない)112往復(数十台集めるにしたって)して救出しなくてはならないのでは?冬期通行止め期間だったら非常口も役に立たない。定員分の暖を取る空間とか想定していないのだろうか?青函トンネルは、列車が脱出出来ない場合の対応で機関車が待機しているようだが、リニアの場合非常用の牽引車とか用意しないのか?リニアの原理特性で停車時の給電が出来ない恐れもあるから、牽引車には電源装置も装備する必要がありそうだが、夢のある計画なのに、『万が一の非常時』こうしますみたいな説明が貧弱なのは気になる。
当初開業予定2027年とのことだが、『静岡県問題ばかり注目』されて、他の工区での工期遅れや事故が目立たなくなっており、改めて調べないと発見出来ない(国家的プロジェクトであるのに全国紙レベルで報道されない)のは、どうにかならないのか?
参考(青函トンネル定点)1000人規模の避難設備がある。
『万が一の非常時』の設備は使われなくたって良いのです。利用者が安心できればそれで良いのです。海底トンネルと陸上トンネルは違うと思うかも知れませんが、事故が起こるかも知れないことを想定しておかなければならない点に変わりはありません。
検索の結果のメモ
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11174850_po_081302.pdf?contentNo=1
国立国会図書館 調査及び立法考査局
リニア新幹線の整備促進の課題―トンネル工事が抱える開業遅延リスク―
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001360067.pdf
東海旅客鉄道株式会社
畑薙山断層帯におけるトンネルの掘り方・トンネル湧水への対応(素案)
上記JR東海の資料を見ると、東海北陸道の飛騨トンネル水圧5.4 MPaを超える、8MPaが予想されており、飛騨トンネルの完成を持って可能と判断したらしいが、それ以上の悪条件であることがわかる。畑薙山断層帯へのボーリング調査が『たった1本』しか無いように素人の私には読めるのだがいかがなものだろうか?電力会社の掘ったもう少し浅い部分の導水トンネル工事を参照にしすぎていないか?
例の静岡県内大井川水量減少問題そのものへの示唆として、標高の高いところから掘り進め下り勾配で工事を進めると先端部が水没してしまう恐れがあり、出来るだけ上り勾配の山梨県側から工事を進めるのが良い旨の記載があり、また当初深井戸により山の水を抜いて水圧を下げる検討もしていることから、山梨県側に水を抜くことを前提に現在の工事を行っていることが推測される。(対策も示されているが、現時点の報道では工事で抜けた水を完成後に戻すとか、ちょっと本質とはずれたことになっている。)
また資料の年月日が『本資料は令和2年8月25日現在の内容』となっており、この程度の研究は10年くらい前に出ないと本質的に無理があるんじゃないかと思う。まだ素案だし。。。
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/85386/1/D_Hasegawa_Nobusuke.pdf
やはり鉄道より工事数の多い道路トンネルにはリスク管理を研究している先生が多いようです。